ウィルチェアーラグビー, 夏季競技 — 2015/5/25 月曜日 at 2:00:48

4ヵ国対抗のジャパンパラ、日本が初優勝

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初優勝を飾った日本代表。1年後に迫ったリオパラリンピックでメダル獲得を目指す=千葉ポートアリーナ

「2015ジャパンパラウィルチェアーラグビー競技大会」が5月22日から3日間の日程で、千葉市の千葉ポートアリーナで開催された。今大会はウィルチェアーラグビーの競技力向上を目的として、イギリス、デンマーク、ニュージーランドを招へい。日本を含めた4ヵ国による熱戦が展開され、日本が決勝でイギリスを57-43で下して優勝した。

<決勝>日本 57-43 イギリス

正確なパスでチャンスメークした池

予選全勝で決勝に進出した世界ランキング4位の日本は、決勝で同5位のイギリスと対戦。日本は序盤から素早い攻守の切り替えで相手にプレッシャーをかけ、ターンオーバーを奪って得点を重ねた。

エース池崎大輔を中心とした自慢のファーストラインで圧倒した。ハイポインター・池崎と池透暢のスピードとパワーを活かした突破、ローポインター・若山英史と今井友明の素早く正確なディフェンスで相手イギリスの追随を許さない。粘り強く相手の動きを封じ、イギリスのパスミスを誘ったり、たまらずタイムアウトを取らせる場面も。理想的な展開でリードを奪った日本は、合わせて4つのラインを繰り出し、組織力でも圧倒。全員ラグビーを示して、試合巧者のイギリス相手に14点差で勝利をおさめた。

今年10月に同地でパラリンピックのアジア・オセアニア選手権を控える日本。そこでリオの切符を手にし、さらには本大会でメダルを獲得することが最大の目標だ。

ローポーインターの今井(左)と若山のディフェンスが攻撃ルートを作る

日本は世界ランキング4位でメダルまであと一歩のところにいるが、現在のところオーストラリア、カナダ、アメリカの実力が図抜けており、世界トップ3の牙城を崩すことは容易ではない。そこで日本はチーム全体のブラッシュアップを図るべく、安定した得点力が期待できるファーストライン以外にも、セカンドライン、サードラインの強化に取り組み、今大会も積極的に登用してきた。

荻野晃一ヘッドコーチは、大会を振り返り、「チャレンジしたいラインナップで結果を出せたのは良かった」と話し、アジア・オセアニア選手権に向けては「セカンド、サードラインが力をつけ、ファーストラインが休めるようなチーム作りをしていきたい」と語った。

またキャプテンの庄子健は「出場国の中で日本のランキングが一番高く、勝つことは当たり前。そんな中でいろいろなことを試せたことが収穫。チームの一体感も感じられた」と手応えを口にした。

池崎(写真右)は3.0クラスのベストプレーヤー賞を受賞

【外部リンク⇒】車いすラグビー、メダル獲得への現在地 パラ出場懸かる10月の豪州戦が試金石

<3位決定戦>デンマーク 48-47 ニュージーランド

デンマークとニュージーランドの3位決定戦は、序盤から拮抗したゲーム展開になった。ニュージーランドは第2ピリオドから安定したオフェンスで流れを掴み、第3ピリオドもリードを保ちながら守備を固めた。対するデンマークは残り3分10秒でインターセプトからターンオーバーで1点差まで迫ると、残り11秒でついに同点に追いついた。

その後、ニュージーランドが1点を追加して、39-38のニュージーランドのリードで始まった最終ピリオド。デンマークの動きを封じたニュージーランドは3連続得点で勢いに乗り、一時は3点差まで点差を広げた。

厳しいマークを受けながらゴールを狙うニュージーランドのCameron Leslie(左)

このまま試合を優勢に進めるかと思ったが、しかしデンマークは落ち着いていた。焦らず、徹底したディフェンスで相手にプレッシャーをかけ、じわじわと動きを封じていくデンマーク。残り2分15秒で、ついに逆転に成功した。そして最後まで一進一退の攻防が続き、最後はデンマークが1点差で勝利。両チームのファイトと見ごたえのある試合展開に観客からは大きな拍手が送られた。

試合後、ニュージーランドのAndrew Chittockヘッドコーチは、「勝ちたかったけれど、一点差のゲームができ、チームをとても誇りに思う。若い発展途上のチームなので、とにかくリオ予選までに成長することが一番大事。トーナメントを通して成長が感じられた」と選手をたたえた。

(取材・文/荒木美晴、瀬長あすか)