ウィルチェアーラグビー日本代表は22日、ソンハク体育館でインチョン2014アジアパラ競技大会の決勝を戦い、世界ランキング24位の韓国を60-40で下し、初代王者に輝いた。
一度もリードを許さない戦いぶりだった。序盤、スタメンの乗松聖矢らのプレスで相手の攻撃を押し込むと、エース池崎大輔が韓国からボールを奪い、得点を重ねた。
韓国の声援が響くアウェイの雰囲気。そんな中で、最も若い和知拓海をナンバーワンとしたラインなどで、次々と追加点を決めた。世界トップクラスのプライド、そして今大会のテーマである「若手の育成」の成功を見せつけた。
選手たちは、今大会は試合経験を積む絶好の機会になったと口をそろえる。悲願であるパラリンピックのメダル獲得へ。2年後のリオ、そして6年後の東京につながる大きな自信となったに違いない。
▼各選手のコメントは以下の通り
若山英史
「今までは自分が引っ張っていく役割をしたことがなかったけれど、キャプテンを経験し、若手を引っ張っていかなければという意識が芽生えた」
和知拓海
「初めての国際大会で金メダルをもらえてうれしいです。リオと東京に向けて、今回できなかったところを重点的に鍛えていきたい」
菅野元揮
「アジア1位になれてうれしい。コートの中で(他の)3人のプレーヤーをコントロールできた手応えもあり、体で成長を感じている」
池崎大輔
「アジアパラ競技大会の初代チャンピオン、そしてアジア1位になったことは、リオの予選につながる。実力差をしっかり示す自分の役割ができた」
仲里進
「若手がすごくがんばった。育成の面でとても有意義な大会だった。この経験をリオにつなげていきたい」
岸光太郎
「勝負へのこだわり、チームの成長というテーマをやり遂げられたのは収穫。その上で、マレーシアやインドネシアと交流でき、楽しい大会になった」
庄子健
「チームの中で自分から発言する役割もやっていかなきゃならない立場になり、自分自身も成長できた。また、若手には素晴らしい強化の機会になったと思います」
羽賀理之
「世界選手権などはサブメンバーですが、スタメンそして主力メンバーとしてやらせてもらって、成長できたし自信になった。組織的な動きも磨かれたと思う」
山口貴久
「出場機会が多かったので、試合経験を積むことができた。今までは若手としてだったが、今回はベテランという括りで参加。そこもいい経験になった」
乗松聖矢
「日に日にコート上の視野が広がっていく感覚が楽しくて仕方ない。格下でもひとつひとつ目標を持ってプレーすることができた」
堀貴志
「ミスをしたときに沈んでしまった。これからもっと実戦を積み、またコミュニケーションを取る意識を変えなければいけない。リオ予選など国際大会の代表になれるようにがんばりたい」
渡邉翔太
「カナダと対戦したジャパンパラ(10月10日から3日間千葉で開催)、このアジアパラと2度続けて国際的な大会に出場でき、試合の出場経験はもちろん、長期に渡る遠征のつらさなどいろんな経験できて収穫になった」
(取材・文/瀬長あすか、撮影/吉村もと)