東京2020パラリンピック, 水泳 — 2021/8/27 金曜日 at 0:10:32

【東京2020】鈴木が100m自由形で金メダル獲得! 富田は400mでアジア新の銀!

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水泳の鈴木孝幸が男子100m自由形S4で金メダルを獲得! 日本選手団第1号!

〈東京パラリンピック〉競泳/男子100m自由形S4、400m自由形S11決勝 (8月26日、東京アクアティクスセンター)

水泳の男子100m自由形(S4)が26日に行われ、鈴木孝幸(ゴールドウィン)が1分21秒58のパラリンピックレコードで制し、日本選手団第1号となる金メダルを獲得した。2位で50mを折り返すと、終盤に猛追をかけ逆転に成功。順位を確認した鈴木は、会心のレースにガッツポーズを作って見せた。25日の50m平泳ぎ(SB3)も3位に入っており、今大会2個目のメダル。50mと200mの自由形、150m個人リレーにもエントリーしており、「全種目でメダル獲得」を目指す。日本代表「トビウオパラジャパン」のキャプテンを務める有言実行の男が、その背中で仲間たちを力強くけん引する。

また、初出場の富田宇宙(日体大院)が得意種目の男子400m自由形(S11)で銀メダルを獲得。タイムは自身が持つアジア記録を塗り替える4分31秒69。納得の泳ぎで、悲願のメダルを手繰り寄せた。その名の通り、幼いころの将来の夢は「宇宙飛行士になること」。だが、高校時代に網膜色素変性症のため視力が低下。3歳で始めた水泳からも一時は離れた。2012年にパラ水泳に出会って練習を再開して以降、病気の進行に伴い17年には弱視のS13から全盲のS11にクラス変更されたが、「見えていたことは競技面ではプラスに働く」と前を向き、ひたすら鍛錬に励んできた。

19年の世界選手権では優勝を逃し、パラリンピック代表内定を勝ち取ることができなかった。その後は不調が続き、タイムが出せずに苦しい時期が続いていたが、ラストチャンスとなった5月のジャパンパラで派遣標準記録を突破し、パラ切符を掴んだ。全盲クラスの選手はターンやゴールを知らせるタッパーらスタッフ、周囲の人たちのサポートが不可欠で、富田は「支えてくれた方々への感謝の気持ちでいっぱい」と涙を流した。苦しんだ末に、ついにたどり着いたパラリンピックの表彰台。富田はメダルに刻まれた点字を丁寧に触り、最後は笑顔を見せていた。

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(文/荒木美晴)