車いすテニス — 2022/10/9 日曜日 at 2:19:53

【楽天オープン2022】国枝が2連覇! フルセットの末に小田を下す

by
シングルス決勝で名勝負を繰り広げた国枝(左)と小田=有明コロシアム(撮影/加藤誠夫)

テニスの「楽天オープン2022」は8日、有明コロシアムでシングルスの決勝が行われ、第1シードの国枝慎吾(ユニクロ)が第2シードの小田凱人(東海理化)を6-3、2-6、7-6(3)のフルセットで下し、2019年の前回大会に続き優勝を果たした。

36歳のレジェンドと、16歳のホープとの闘いは、試合時間が2時間半に迫る大激戦だった。第1セットは小田のサービスゲームで始まり、いきなりラブゲームでキープ。国枝もサーブから試合を作り、ゲームカウントは3-3に。迎えた第7ゲーム、国枝が3度目のブレークチャンスを制すると、その後の展開を優位に進めて、6-3とした。

だが、小田が土壇場で脅威の粘りを見せる。第2セットを0-2から6ゲーム連取して取り返す。最終セットの第7ゲームも国枝の4つのチャンピオンシップポイントをしのぐと、ギアを上げて6-5と逆転に成功した。しかし、第12ゲームは国枝がブレークし、タイブレークに突入。最後は小田のフォアハンドがアウトになり勝負が決まると、息をのんで試合の行方を見守っていた観客から、大歓声と大きな拍手が両者に送られた。

国枝は「凱人とこれから何度も戦うだろうし、どんどん厳しくなっていくのは覚悟している。自分がどこまで抗えるかも楽しみなところ」と語る

ふたりは今年1月のメルボルンオープンで初対戦。今回が4度目の対戦で、小田が初めて国枝からセットを奪った。国枝は「凱人が2年くらい前にツアーデビューをしたときからアグレッシブなプレーをしていて、スケールが大きく、いつかやられるかもという想いがあった。それが今日かもしれないというのは試合中に何度もよぎったが、まだおじさんのパワーを見せるぞと、もう少しだけ勝たせてくれよという気持ちで、ファイナルセットも何とか必死に1ポイントずつやった」と振り返った。

試合後、小田は「今日の対戦に感謝したい。また来年、さらに強くなってこの舞台に戻ってきたい」と話し、涙をぬぐっていた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/加藤誠夫)