World Para Athletics公認「2018ジャパンパラ陸上競技大会」が7日、群馬県前橋市の正田醤油スタジアム群馬で始まった。
今大会は海外からトップアスリートも参戦。女子100m(T63)では、パラリンピック2大会連続金メダリストで世界記録保持者のマルティナ・カイローニ(イタリア)が出場。力強い走りで駆け抜け、15秒21で制した。今シーズンのベスト(14秒93)には及ばなかったものの、「良い走りができた」と笑顔を見せ、また「私が走ることでパラリンピックムーブメントの広がりに貢献できれば」と2020年東京大会に向けても思いを馳せた。2位の前川楓(チームKAITEKI)、3位の兎澤朋美(日体大)らとは、8日の走幅跳でも対戦する予定。
3月の平昌パラリンピックのパラスノーボードで、金と銅のふたつのメダルを獲得した成田緑夢(近畿医療専門学校)は男子走高跳(T44)に出場。「走高跳の練習はまったくしていなかった」が、自己ベストの1m80に迫る1m75をクリアし、天性の運動神経の良さを見せつけた。パラスノーボードからは引退し、今後は夏の競技でオリンピックとパラリンピック両方の出場を狙っている成田。どの競技にするかはまだ「探し中」だが、これからも観ている人をわくわくさせるようなチャレンジをしてくれそうだ。
今月1日の関東パラ陸上競技選手権大会(関東パラ)で、男子400mと1500m(T52)で世界新記録を樹立したばかりの佐藤友祈(WORLD-AC)もエントリー。今日のレースは記録更新とはならなかったが、2種目とも大会新記録で優勝した。
男子100m(T64)は、アジア記録保持者の佐藤圭太(トヨタ自動車)が11秒94で優勝。関東パラでは新星・井谷俊介(ネッツ東京)に敗れたが、きっちりとリベンジを果たした。急成長を続ける井谷は、オリンピアンの山縣亮太や福島千里と練習を共にする。彼らをサポートする仲田健トレーナーと身体づくりにも取り組んでおり、今後の9月の日本選手権で自己ベスト更新、そして10月のアジアパラ競技大会出場を狙う。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)