「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2017」の競技が7日から始まった。各クラスのミックスダブルスとシングルスの予選リーグからスタート。今大会は世界ランキング上位の選手や、普段は大会にエントリーしない中国などの選手も出場している。
注目の女子シングルスSU5世界ランク1位の鈴木亜弥子は、その中国の楊秋霞と対戦し、17-21、15-21のストレートで敗れた。鈴木は「彼女にはショットの勢いとスピードがあった。相手が上手でした」と楊の実力を認めたうえで、「ランキング1位といっても、単に私が彼女たちより多く国際大会に出ているだけで、こだわりはない。今回初戦で対戦でき、課題が明確になったことのほうが大事」と話し、前を向いた。
知ればもっとおもしろい! ミックスダブルス編
この日は各クラスのミックス(男女混合)ダブルスの予選からスタート。パラバドミントンの場合、車いすクラスはWH1とWH2の選手がペアを組む。シングルスはコート半面を使用するが、ダブルスはコート全面を使用する。だが、ネットとショートサービスラインの間はやはりアウトとなる。多くのペアがサイドバイサイドの形をとり、それぞれ前後の動きでシャトルを追うが、長島理(WH1)・山崎悠麻(WH2)組のように自在にポジションを変えるペアもいる。
また、立位の場合はSL3からSU5の中でクラス合計「8」以内の組み合わせとなる。たとえば、藤原大輔(SL3)・豊田まみ子(SU5)組は合計「8」で下肢障がいと上肢障がいのペア、また伊藤朝洸(SL4)・伊藤則子(SL3)組のように合計「7」で下肢障がい同士のペアもいる。それぞれの障がいでどこまで動けるのか、互いをフォローしあいながら試合を展開していくコミュニケーション能力が求められる。
知ればもっとおもしろい! 低身長クラス(SS6)編
遺伝または非遺伝性原因による低身長症の選手によるSS6クラスがあるのも、パラバドミントンの特徴のひとつ。2020年東京パラリンピックでは男子シングルスが実施種目に決まった。
ルールはSL4、SU5と同じで、全面コートで試合を行う。ネットの高さも変わらない。SS6クラスの選手は身体が小さくパワーも少ないが、コートの広さを感じさせない機敏さと抜群のコントロールで、観ている人を魅了する。世界のトップクラスにおいては、ネット前のショットを飛び込んで拾うアグレッシブなプレーを見せる選手も。
国内では低身長の選手が少なく、今後その裾野を広げていくことが大きな課題だ。今大会、日本から男子2選手が出場している。自身でも周りの人たちに声掛けをしているという浅井清志は、「今大会が、低身長でもバドミントンで活躍できることを知ってもらうきっかけになれば」と話す。また畠山洋平も「僕は高校時代にバドミントンをやっていたけれど、パラリンピックに低身長のクラスがあることを知ったのは去年。それから練習を再開しました。自分たちがもっと活躍して、こういうクラスがあることを広めていきたい」と飛躍を誓った。
(取材・文・撮影/荒木美晴)