インドネシア2018アジアパラ競技大会は8日、水泳の男子100m自由形決勝が行われ、視覚障害S11クラスの富田宇宙(日体大大学院)が58秒49で金メダルを獲得した。
自身が持つ今季世界最高記録を更新する会心の泳ぎ。スタートから浮き上がりまでは、隣のレーンを泳ぐライバルの木村敬一(東京ガス)に体半分ほど差をつけられたが、ぐんぐん加速すると前半50mをトップでターン。最後までスピードは落ちず、ピタリと追う木村との一騎打ちを制した。
進行性の病気「網膜色素変性症」を患う富田は昨年、視力の低下に伴いS13(視覚障がいの軽度)から S11(視覚障がいの全盲)に変更となった。S11にはロンドン・リオパラリンピック銀メダリストの木村がいる。このレースではその木村を退けての勝利となり、「木村君に勝ててよかった」と笑顔を見せた。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)