水泳 — 2025/9/13 土曜日 at 23:21:13

【ジャパンパラ】田中、川渕ら世界選手権日本代表選手が大会新!

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男子50mバタフライ(S5)で優勝した田中(右)と2位の日向=日本ガイシアリーナ(撮影/植原義晴)

「JPSA設立60周年記念 World Para Swimming公認2025ジャパンパラ水泳競技大会」が13日、愛知県名古屋市の日本ガイシアリーナで開幕した。

21日にシンガポールで始まるパラ水泳世界選手権の日本代表も出場。男子50mバタフライ(S5)では、田中映伍(東洋大)が決勝で33秒44の大会新記録を樹立して優勝した。男子400m自由形(S9)は川渕大耀(NECGSC溝の口)が予選から10秒近くタイムを縮めて4分17秒97の大会新をマーク。女子100m背泳ぎ(S12)の辻内彩野(三菱商事)も1分15秒13で泳ぎ、大会記録を更新した。

世界選手権代表落選が「甘い自分を見つめ直すきっかけになった」と話す南井

南井瑛翔(トヨタ自動車)は、男子100m背泳ぎ(S10)決勝で1分4秒53をマークし、優勝を果たした。現在は背泳ぎのスペシャリストで元日本代表の竹村幸氏に師事し、広背筋や骨盤の使い方、力の入れ方などを一から教わり、反復練習に取り組んできた。「このレースでは、今できる最大限の泳ぎができた。いいタイムだし、90点くらいはつけてもいいかな」と笑顔を見せた。

東京、パリと2大会連続でパラリンピックに出場したが、今年の世界選手権では代表落ちとなった。「自分にはハングリー精神が欠けていたのだと思う。派遣基準記録を切れなくて、改めて自分を見つめ直すきっかけになったので、落ちてよかったじゃないけれど、今はしっかりと受け止めている」と話す。その中で迎えた今大会は3種目にエントリーし、まずは1種目目で結果を出した。「世界選手権の上位に入れるようなタイムを泳いで、南井を選べばよかった、と言わせたい」。14日には200m個人メドレー、最終日には100mバタフライが控える。「とくに背泳ぎは力を入れて取り組んできた種目。メリハリをつけた泳ぎをして余力を使って後半にしっかり上げていって、ベストタイムを目指したい」と、言葉に力を込めた。

また今大会は、11月に開幕する東京2025デフリンピックの日本代表も多数エントリーしている。前回のカシアスドスル大会の女子100mバタフライで金メダルを獲得した齋藤京香(CPAEP)も出場。女子50mバタフライ(S15)を29秒47の大会新記録で泳ぎ、優勝した。昨年秋から奈良に練習拠点を移し、そこで星泰雅(サムティ)や金持義和(JDSA)らデフリンピアンとともにトレーニングを行うようになった。後半まで泳ぎ切るスタミナをつける厳しい練習も仲間に刺激を受けて取り組めているといい、この日のレースも自己ベストにはわずかに届かなかったものの、「良い調整が出来ている」と納得の表情を見せていた。

(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)