水泳 — 2025/9/14 日曜日 at 23:14:47

【ジャパンパラ】山口が男子100m自由形でアジア新!

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男子100m自由形(S14)でアジア新記録を樹立した山口=日本ガイシアリーナ(撮影/植原義晴)

「JPSA設立60周年記念 World Para Swimming公認2025ジャパンパラ水泳競技大会」は14日、競技2日目を迎えた。

男子100m自由形(S14)決勝は、山口尚秀(四国ガス)がアジア新記録となる53秒47で泳ぎ、優勝を果たした。平泳ぎのスペシャリストで100mと200mの世界記録保持者である山口は、今大会は「これまであまり出場していないので記録を出せたら」と自由形3種目にエントリー。初日の200m自由形も大会新記録で制しており、最終日の50m自由形との3冠に期待がかかる。

女子200m個人メドレー(SM9)決勝は、世界選手権代表の前田恵麻(福井工業大)が2分54秒38で泳いだ。1年前のパリ2024パラリンピックの選考会の前に左足首を捻挫し、その古傷が今大会の開幕前日に再発してしまい、痛みを抱えながらのレースとなった。「世界選手権の1週間前。悔しい」と落胆するが、試合勘を養う狙いもあり、出場を決断した。自己ベストから大幅に遅いタイムに涙をこらえながら、「世界選手権ではベスト更新を目指して頑張りたい」と振り絞り、前を向いた。

女子100m自由形(S15)で優勝した串田(中央)、2位の齋藤(左)、3位の吉瀬

女子100m自由形(S15)決勝は、東京2025デフリンピック日本代表の4選手が勢ぞろい。前半から飛ばしてトップで折り返した串田咲歩(サンながら)がリードを保ち、1分1秒78のデフ日本新記録で優勝した。2位に齋藤京香(CPAEP)、3位に吉瀬千咲(東京女子体育大)が入った。串田は得意の100m平泳ぎ(SB15)は予選で1分15秒52の大会新記録をマーク。決勝ではわずかにタイムを落としたが、力強いフォームで泳ぎ切った。デフリンピックでは平泳ぎをメインにエントリー予定だといい、「表彰台を狙いたい」と力強く語った。

男子100m平泳ぎ(SB15)は、星泰雅(サムティ)が1分7秒97で制した。3大会連続のデフリンピック出場を決めている星。初出場の2017年サムスン大会、前回のカシアスドスル大会ではリレー種目でメダルを獲得しており、東京大会では得意の平泳ぎでの表彰台を目指す。また、前回大会に続いて水泳日本代表のキャプテンも務める予定で、チームの大黒柱として「一丸となってデフリンピックを盛り上げていきたい」と、言葉に力を込めた。

男子100m平泳ぎ(SB5)は、中学1年で今年度のパラ水連の育成S指定選手に選ばれている山田龍芽(宮前ドルフィン)が予選で2分2秒93の日本新記録をマーク。さらに決勝では1分58秒84で泳ぎ、記録を4秒以上更新した。

(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)