全国のトップスイマーが参加する「東日本大震災復興支援 IPC Swimming公認2016ジャパンパラ水泳競技大会」が17日、横浜市の横浜国際プールで開幕した。
男子400m自由形では、視覚障がいS13クラスの富田宇宙(EYA)が予選で4分41秒81のアジア新記録を樹立。富田は決勝でその記録をさらに2秒26上回る好タイムをマークし、優勝した。リオ代表入りは逃したが、力強い泳ぎで健在をアピールした。
リオパラリンピック日本代表の成田真由美(横浜サクラ)は、女子50m自由形S5クラスの予選で39秒70の日本新記録を樹立。決勝も39秒91で制し、“水の女王”の存在感を見せつけた。成田はアトランタ大会から北京大会まで4大会連続でパラリンピックに出場し、金メダル15個を含む計20個のメダルを獲得。40秒を切ったのは、2004年アテネパラリンピック以来だといい、「嬉しいし手ごたえを感じた」。ただ、リオで上位に食い込むには「このタイムでは不安」と話し、残り2か月間でさらなる強化を図っていく。
パラリンピック初出場となる池愛里(峰村PSS東京)は、200m個人メドレーSM10 クラスの予選で2分40秒96の日本記録を更新した。この日は3種目にエントリーし、予選と決勝を合わせて6レースを泳いだ。7種目出場を考えているリオを想定したもので、「疲労がたまる中で次の日にどれだけ泳げるか、どれだけリオにつなげるレースができるか楽しみ」と語る。
日本代表のキャプテンを務める山田拓朗(NTTドコモ)は、得意の50m自由形S9クラスの決勝で26秒41の大会新記録をマーク。
また、リオで金メダル獲得が期待される全盲の木村敬一(東京ガス)は、100m平泳ぎSB11クラス決勝でスタートでの入水に失敗して隣のレーンに外れ、また50mのターン後にはさらに隣のレーンを泳ぐミスがあり、失格となった。「スタートでコースロープを超えたのは初めて」と苦笑いの木村。「リオでは金メダルを外さないようにまっすぐ帰ってきたい」と話した。
またこの日は、「トビウオパラジャパン」の壮行会が行われ、リオ代表の19名の選手が一人ずつ意気込みを語り、会場から大きな拍手が送られた。
(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)