車いすテニス — 2024/4/9 火曜日 at 21:27:31

【飯塚2024】男子の小田、クアードの諸石らが1回戦突破

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力強いショットを放つ小田。大会2連覇を狙う=いいづかスポーツ・リゾートテニスコート

「天皇杯・皇后杯 第40回飯塚国際車いすテニス大会」が9日、いいづかスポーツ・リゾートテニスコートで開幕した。カテゴリーはグランドスラムに次ぐスーパーシリーズに位置づけられ、トップランカーを含む、世界22カ国1地域から102人の選手がエントリーしている。

男子は、昨年の覇者でパリパラリンピック日本代表に内定している世界ランキング2位の小田凱人(東海理化)が同12位の荒井大輔(BNPパリバ)に6-4、6-2で勝利し、2回戦に駒を進めた。小田は「ジャパンオープンはすごく重要な大会。必ずここを獲るという気持ちでいる」として、直前の韓国ツアーを回避し、国内で調整して臨んでいる。荒井の攻撃的なテニスを振り切った小田は、「試合をしていい感触があった。これからが楽しみ」と力強く語った。

また、昨年準優勝の眞田卓(TOPPAN)は、今年に入りこれが9大会目と積極的にポイント獲得に挑んでいる。直前のソウルオープン(韓国)はコンディションが整わずに棄権し、この日も第1セットはギアが上がり切らなかったが、第2セットをラブゲームで奪い、1回戦を突破した。

世界ランキング11位の三木拓也(トヨタ自動車)は同10位のルベン・スパーガレン(オランダ)と対戦。グランドスラムでも対戦する強者同士の対戦に注目が集まったが、4-6、6-7で敗れ、1回戦敗退となった。また、20歳の高野頌吾(かんぽ生命)は世界ランキング1位で第1シードのアルフィー・ヒューエット(イギリス)と対戦し、1-6、0-6で屈した。ヒューエットとは初対戦。スコアは取り切れなかったが、フィジカル強化の成果もあって強力なフォアハンドで相手を追い込む好プレーもあり、「昨年と比べたらトップとの差を感じなかった」と現状のプレーに納得した様子。目指しているというロスパラリンピック出場に向けて、さらなる飛躍を誓っていた。

大会3日目の11日に57歳の誕生日を迎える諸石。ベテランらしい安定したテニスで1回戦を突破した

クアードは、諸石光照(EY Japan)がドイツの選手をストレートで下し、2回戦に進出。石戸大輔(三菱オートリース)はトルコの選手をフルセットで下し、3度目のジャパンオープンにして初勝利を挙げた。

世界ランキング8位と日本勢で最上位につける菅野浩二(リクルート)は、実は昨年10月のITF実施のクラス分けでオープンクラスに認定され、クアードの大会出場が認められていない状況にあり、今大会も参加していない。今後の見通しが不透明ななか、菅野に続く国内2番手争いをしていた宇佐美慧(LINEヤフー)と諸石、石戸が大会前の世界ランキングでは10位台後半に並んでいる状況で、パリに向けて国内の争いはさらに混沌としそうだ。宇佐美はこの日はアメリカ人選手に敗れたが、「最後までどうなるか分からない。この中で1番手でいられるように頑張りたい」と言葉に力を込め、前を向いた。

(取材・文・撮影/荒木美晴)