
「天皇杯・皇后杯 第41回飯塚国際車いすテニス大会(Japan Open 2025)」は18日、男女シングルスの準々決勝とダブルスの準決勝が行われた。
男子シングルスは第1シードの小田凱人(東海理化)が登場。ここまで8戦全勝のケーシー・ラッツラフ(アメリカ)に6-2、6-0で完勝した。準決勝では、世界ランキング7位で今大会の直前に行われたテグオープン(ITF 1)では強敵を次々に下して優勝を果たしたダニエル・カバザッチ(スペイン)が待ち受ける。強打が持ち味のレフティ同士の対戦に注目が集まる。
三木拓也(トヨタ自動車)は、試合巧者のステファン・ウデ(フランス)に2-6、4-6で敗れた。三木は「速い展開を得意とするウデ選手に対して、後手にまわってしまった」と語り、唇をかんだ。
女子シングルスは、世界ランキング1位の上地結衣(三井住友銀行)がクセニア・シャストー(フランス)と対戦。4-6、6-1、6-0で勝利した。19歳のシャストーは、元ジュニアの世界ランキング1位の若手有望株。昨年のパリ2024パラリンピックにもフランス代表として出場し、2回戦で上地にストレートで敗れている。昨年末の世界ランキングは21位だったが、今年に入ると積極的に大会にエントリー。5大会のうち優勝こそないものの、スーパーシリーズのバトンルージュで決勝に進出するなど実績を残し、現在は世界ランキング11位まで上げている。
そんな勢いに乗るシャストーは今大会も好調をキープ。この準々決勝では持ち味の力強いサーブとストロークで主導権を握り、上地から第1セットを奪った。一方の上地は試合後に「自分のショットのクオリティがものすごく悪かった」と話したように、序盤は攻撃リズムを作り切れずに失速した。ただ、ここからの修正力が高いのが上地だ。トイレットブレークで心身をリセットし、第2セットは相手を動かすプレーにスイッチ。丁寧な配球でじわじわと追い込んでセットカウントをタイに戻すと、第3セットは1ゲームも譲ることなく勝ち切った。準決勝では、今大会の直前に出場したテグオープンの決勝で敗れた王紫瑩(中国)と対戦する。
女子ダブルスは、田中愛美/朱珍珍(中国)組がシャストー/高室冴綺組を6-3、6-4で下し、決勝進出を果たした。男子ダブルスは荒井大輔/ロビン・グローネウド(オランダ)組が、第2シードのマーティン・デ ラ プエンテ(スペイン)/ルベン・スパーガレン(オランダ)組にストレートで敗れた。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)