車いすラグビーの世界選手権は13日、予選リーグの最終戦が行われ、日本は強豪オーストラリアに54-50で勝利した。予選リーグの5試合すべてに勝利した日本は1位で通過し、14日の準々決勝に駒を進めた。
予選リーグ最大の山場を迎えた最終戦。強豪を相手に日本が総合力で上回り、終始リードを保って勝利につなげた。第1ピリオド、オーストラリアが2度、インバウンドでボールキャッチにミスが出る。攻撃権が移った日本はすかさず連続得点を決め、試合を優位に進めた。
オーストラリアの得点源は、ライリー・バット(3.5)、クリス・ボンド(3.5)の世界的ハイポインター。日本は強化してきた連携プレーで、このふたりの動きをひとつずつ丁寧に封じていく。そして、第2ピリオドには日本のミッドポインター・中町俊耶(2.0)が走力を活かし、バットの猛追を交わしてトライを決めるなどして流れを引き寄せた。
後半もキーディフェンスを徹底して守りを固めるオーストラリアに対して、日本は集中力を高めてスペースを作り出し、パスをつないでトライを重ねていく。そして、会場の声援がかすむほどの大きな声を出してプレッシャーをかける日本のベンチワークもコート上の4人を後押しし、大一番を勝ち切った。
キャプテンの池は「各ラインの連携の精度が高かった。途中で自分のストラップが切れて、ベンチに下がったときに、交代したメンバーが流れを引き寄せてくれたように、チームで戦っていると証明できた」と、充実の表情を見せる。また、予選の5試合を振り返り、「1戦目と比べて比べものにならないくらい完成してきている」としつつも、さらにレベルが上がるであろう決勝トーナメントに向けて「しっかり切り替えたい」と話し、前を向いた。
(取材・文・撮影/荒木美晴)