車いすラグビー — 2024/1/26 金曜日 at 23:02:06

【ジャパンパラ】日本代表が開幕4連勝

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第4ピリオド、相手の動きを先読みしてパスカットに成功、さらに自分でボールを運ぶ白川

「2024ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」は26日、競技2日目を迎え、世界ランキング3位の日本は同11位のブラジルに62-34で快勝、また同9位のドイツにも47―34で勝利し、開幕から4連勝とした。

日本はブラジル戦の第1ピリオド、セカンドラインで登場した橋本勝也(3.5)がスピードを活かしたタックルでターンオーバーに成功すると、中町俊耶(2.0)につないでトライ。さらに橋本はそこから3連続で得点をマークし、点差を広げた。主導権を握った日本は、後半も次々とラインナップを変えながら攻撃の手を緩めず。第4ピリオドには、白川楓也(3.0)が相手の動きを呼んでパスカットし、自身でトライに持ち込む好プレーを見せるなどして、ブラジルを引き離した。

障害によって腹筋が効かない白川は自身でトライをしつつも、広い視野で相手より先にポジションを取ることでパスコースや仲間のハイポインターが走るスペースを作り出すといった、味方をフォローする役割も担う。「連携やコミュニケーションはうまくできていると思う。相手のローポインターを抑えることはもちろん、ハイポインターも止められれば、岸ヘッドコーチへのアピールにもなる。日本のハイポインター陣は層が厚いけれど、パリに出場する12人に食い込みたい」と力強く語った。

自身初のキャプテンを任されている乗松。2日目の2試合も気迫あふれるプレーでチームをけん引した

2試合目のドイツ戦は、第1ピリオドに今大会初めてドイツに逆転を許すシーンがあったが、その後は立て直し、1点リードで第2ピリオドへ。その後は、強烈なプレッシャーをかけ続けて相手の体勢を崩していく日本。ドイツはタイムアウトを使い切る苦しい展開となり、日本が47-34と大差をつけて勝利した。

今大会、乗松聖矢(1.5)が日本チームのキャプテンを務める。車いすラグビーを始めてから初めての経験だと話す乗松は、「いつもと全く違う心境」としながらも、「チームに必要な言葉やプレーを意識したい」と前を向く。今夏のパリパラリンピックを前に、日本代表の試合を国内で披露するのは今大会が最後となる。乗松は「主力が数名いないなかで、日本のラグビーの質は変わらないことを見てもらいたい。応援してもらえる大会にしたい」と言葉に力を込めた。

(取材・文・撮影/荒木美晴)