パラアイスホッケー — 2018/12/10 月曜日 at 18:35:08

【クラブ選手権】長野が全勝で王座奪還!初出場のロスパーダ関西も奮闘

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激しいパック争いを繰り広げる長野の吉川(右)と東京の石川=やまびこスケートの森アイスアリーナ

パラアイスホッケーのクラブチーム日本一を決める「2018国内クラブチーム選手権大会」が12月8日から2日間の日程でやまびこスケートの森アイスアリーナで行われた。今大会は東京アイスバーンズ(東京)、長野サンダーバーズ(長野)、今年8月に発足したロスパーダ関西の3チームが出場。総当たりで試合を行い、長野が全勝で優勝した。

長野と東京チームは、新人選手とベテランがともに戦い、それぞれ爪痕を残した

長野は平昌パラリンピック後、足の治療のため入院していた塩谷吉寛(DF)が復帰。同じく平昌代表の熊谷昌治(DF)と吉川守(DF)との3枚攻撃を中心に試合を組み立て、東京に4-2、関西に9-0で勝利した。その全13得点のほとんどが彼らによるものだが、関西戦では森マルコス(FW)がゴールを決めるなど、成長中の新人選手の活躍も光っていた。

昨年優勝の東京は、長野戦で相手のペナルティによる3度のパワープレーのチャンスを活かしきれず、王座を譲った。だが、長野同様、東京も後進の指導に力を入れているところだ。関西戦では、20歳の石川雄大(FW)がチームを勢いづける先制点をマークし、第2ピリオドにはデビュー戦の上代有希(FW)が追加点を挙げるなど期待に応えた。

両チームとも、今後のさらなるスケールアップが楽しみだ。

大会を盛り上げたのは、初出場のロスパーダ関西。町井清日本代表コーチが監督を務め、初めての公式戦に挑んだ。

初出場のロスパーダ関西。チーム初ゴールは伊藤(右)が決めた

初戦の東京戦では序盤から落ち着いてプレー。丁寧なフォアチェックを心掛け、ゴール前は全員で守備を固めた。攻撃面では、スピードのあるキャプテンの濱本雅也(FW)や伊藤樹(FW)らがチャンスメーク。第1ピリオド6分48秒には、相手ゴール前の混戦から坂本義仁(FW)がパックをつなぎ、伊藤がゴールを決めるなど、見せ場を作った。

長野戦は、相手のテンポの速い攻撃に翻弄され失点を重ねたが、最後まで声を出し、ゴールへの執念を感じさせる内容だった。「チームとしての課題が浮き上がった」とキャプテンの濱本が振り返るように、この貴重な経験は成長への糧となるだろう。

(取材・文・写真/荒木美晴)