パラアイスホッケー世界選手権Aプールは28日、大会2日目を迎えた。予選リーグ1敗とあとがない日本はイタリアと対戦し、1-5で敗れた。このあとのチェコ対スウェーデンはチェコが勝利し、イタリアとともに2勝としたため、日本の来季のBプール降格が決まった。
試合開始わずか1分でゴールを決められた日本。その後はリズムを取り戻し、攻め上がる場面もあったが、第1ピリオド終了20秒前に追加点を許してしまう。第2ピリオドは相手のペナルティでパワープレーのチャンスを掴むも活かしきれなかった。
だが11分、相手ゴール前の混戦から須藤悟(北海道ベアーズ)が出したパックが相手DFに当たり、跳ね返ったところを詰めていた児玉直(東京アイスバーンズ)が反応。左手で豪快なシュートを決めた。
ただ、この流れは最終ピリオドまでキープできず。イタリアの組織プレーに翻弄され、後手にまわると、立て続けに3失点を喫し、突き放された。
日本は2012年、2015年の世界選手権に続き、今回も下位に留まることとなり、3度目のBプール降格決定となった。キャプテンの児玉は、「1点を返して追い上げるどころか、チームのシステムのミス、選手の判断ミスなどさまざまな要因が重なって、離されてしまった。正直なところ、私たち個々のフィジカルとテクニック、思考面でも足りていなかった」と振り返る。
須藤もまた、「これがAプールの動きだし、よそのチームの圧力だと思う」と力の差を認める。日本は平昌パラリンピック後の新体制で挑んでいる。その意味では敗戦も貴重な経験となるが、選手が少なく競争原理が働きにくい環境に慣れ、準備不足や代表としての覚悟不足があったことは否めない。須藤は「道具の準備、心の準備は経験者も経験者じゃなくてもすべての選手がきちんとしないといけない。これは世界選手権。順位を決める大事な大会。日の丸のジャージを着ている以上、しっかりしないと」と話し、唇をかんだ。
29日は練習日で、予選最後の30日と7・8位決定戦の5月1日に、同じく予選2敗のスウェーデンと対戦する。「すべてで負けて帰るということはあり得ない」と児玉が言うように、しっかりと仕切り直し、日本チームのプライドを感じるような試合を期待したい。
(取材・文・撮影/荒木美晴)