パラアイスホッケー — 2019/6/29 土曜日 at 1:48:23

新監督に信田憲司氏が就任! 新体制でシーズンスタート

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集合した選手にボードを使って動きを教える信田監督=やまびこスケートの森アイスアリーナ

日本パラアイスホッケー協会は28日、日本代表の新監督に信田憲司氏が就任したと発表した。

信田氏はアイスホッケーの強豪、国土計画(のちのコクド)のゴールキーパーとして活躍した元日本代表。引退後は指導者に転身。アイスホッケー女子日本代表監督などを経て、中央大のコーチを務めるかたわら、2017年からパラアイスホッケー日本代表のアシスタントコーチを担当していた。2002年から17年にわたって指揮を執り、今年の世界選手権後に退任した中北浩仁前監督の後任となる。

「中北さんがバンクーバーで銀メダルという大きな結果を残したので、我々もそこを目指さなきゃいけないし、その力があるということを証明したい。そのためにも北京パラには何としても出場して結果を出し、日本のパラアイスホッケー界をここまで引っ張ってくれている選手たちに恩返ししたい」と信田氏は語る。

パラでメダル争いを目指せるチームに

システムをひとつずつ確認していく代表選手たち

「なぜこの動きをするのか考えて!」
「もう一回!」

アイスリンクに気合いの入った声が響く。就任発表があったこの日、信田氏の姿はアイスリンクにあった。

新体制のスタートとなる第1次強化合宿が28日から始まり、20人の強化指定選手および次世代アスリート育成選手が参加。初日で動きの硬い選手たちに逐一声をかけながら、守備のシステム確認などに入念に取り組んだ。

これまで以上に動画分析にも力を入れ、失点したシーンなど、ひとつの動きに対して選手に「なぜ」を投げかける。自分自身でプレーの意味を繰り返し考える癖をつけ、「気づき」を得ることで、展開の先を読む力が養われていくからだ。「それがホッケーセンス、ホッケーIQというもの。この領域の指導はこれまで手薄だったので、新たに力を入れていく」と信田氏。「自分が何をすべきかが改めて明確になるだけでも、動きが速いホッケーができるようになるし、このチームはもっと上を目指せる」と言い切る。

キャプテンの児玉直(東京アイスバーンズ)も、「これまで人任せのところがあった。その反省を胸に、しっかり一人ひとりがプレーに向き合い、チームとしての底上げを徹底していきたい。自分たちはメダルを取るためにここまでやった、と胸を張れるように」と話し、前を向く。

合宿は30日まで。さらに7月には2度の強化合宿を予定しており、日本の復活への足固めを進めていく。

(取材・文・撮影/荒木美晴)