カナダ・バンクーバーで開催されている、アイススレッジホッケーカナダカップに出場している日本代表の第一試合が現地時間の24日、UBCサンダーバードアリーナで行われ、世界ランキング3位のアメリカに3-1で勝利した。
開始5分までは、ダンプ&チェイスで試合の主導権を握る作戦で試合に臨んだ日本。第1ピリオド、中盤までは試合を優位に進めながらもペースをつかみ切れずに、なかなか得点に結び付かない。しかし7分10秒、パワープレーの時間帯に、須藤悟(DF)が混戦からこぼれたパックを、相手GKのタイミングを一呼吸はずす技ありのシュートを決め、念願の先取点を奪取した。
つづく第2ピリオドも、須藤のノーマークなど何度か決定的な得点のチャンスを得るも、無得点。しかし、一方のアメリカも決定的なチャンスを逃すまずい攻めと、日本のGK永瀬充のファインセーブもあり、ゴールが遠い状況に。
日本の1点リードで迎えた最終ピリオド、直前のミーティングで1ピリ同様に初めの5分に圧倒的な攻めで精神的に相手を追い込むという事を確認。その結果、5分31秒に上原大祐(FW)のパスを受けた石田真彦(DF)が二人かわし、「魂がこもった」と表現するにふさわしいスライドのシュートがゴール左隅に決まり、追加点をゲット。
しかし、そこはアメリカも黙ってはいない。この直後に1点を返され、その後のほとんどの時間帯を防戦一方という苦しい展開に持ち込まれた。そして試合時間残り1分、ディフェンスゾーンのフェイスオフ前に日本がタイムアウト。メンバーとプレーを確認し再開をするも、アメリカはキーパーを上げ6人攻撃に。両チーム決死の攻撃体制のなか、フェイスオフで高橋和廣(FW)が死に物狂いでパックをキープ。何度か混戦があった後、こぼれたパックと同時に上原が飛び出し、相手ディフェンダーを一人かわし、試合終了30秒前にエンプティゴールを挙げ、試合を決めた。
2010年バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケー本会場となる、UBCサンダーバードアリーナで行われている今大会。プレパラリンピック大会も兼ねており、1000人を超える観客が会場に足を運び、大きな声援を送っていた。
試合結果
・日本 1-0-2=3(得点:須藤、石田、上原 アシスト:上原、中村)
・アメリカ 0-0-1=1
(原稿・写真提供/青木栄広日本代表コーチ、編集/荒木美晴)