「第30回日本パラ陸上競技選手権大会」が1日、ヤンマースタジアム長居で開幕した。
4月のロンドンマラソンで3位に入り、東京2020パラリンピックの出場枠を獲得し、代表入りを確実にしている堀越信司(T12/NTT西日本)が男子5000mに出場し、15分39秒39のタイムで優勝した。1000mを過ぎてから急に動きが重たくなり、粘り切れずにタイムを落としてしまったといい、「こういう走りでは、マラソンのタイムはついてこないというのが正直なところ」と悔しそうな表情を見せた。「東京パラの出場はまだ決まったわけではないけれど、目標に向けて課題が残るレースになった。しっかり反省したい」と前を見据えた
男子やり投の山崎晃裕(F46/順天堂大)は、1投目で56m76をマークし、自身が持つ大会新記録を更新した。2投目以降は記録を伸ばせず、「試合中に修正する能力がまだ備わっていない」と、課題を口にする。昨季は世界4位となる60m65をマークした。そこからフィジカルトレーニングを重ね、助走のスピードがより上がった分、投てきのタイミングやリズムに変化が生まれ、それにまだ対応できていないのが原因と分析するが、「焦らず自分のペースで課題に取り組んでいけば、必ず世界のトップに立てると思う」と自信をのぞかせていた。
昨年は5月の北京グランプリシリーズで5m70を記録し、女子走幅跳(T12)の世界ランク1位でシーズンを締めくくった澤田優蘭(マッシュ)。澤田はこの日もコンスタントに5m台を跳び、5m21の大会新記録で優勝した。昨年のアジアパラ競技大会では、100mで目標だった13秒を切る12秒97で金メダルを獲得したように、スピード力が身についてきた。「幅跳びの助走は100mと同じ走りではないけれど、イメージした助走ができるようになってきた。試合でそれを再現できるように、技術を高めていきたい」と言葉に力を込めた。
男子走幅跳(T63)のアジア記録保持者・山本篤(新日本住設)は、この日は2本目と5本目で失敗したものの、最終の6本目の助走でスピードに乗り6m53を記録した。2位に1m以上の差をつけての圧勝で、昨年引退したハインリッヒ・ポポフが持つ世界記録(6m77)を「今年中に更新したい」と語っていた。
大会は2日までで、明日は注目の男女100mや走高跳などが実施される。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)