
「木下グループ・ジャパンオープン車いすテニスチャンピオンシップス2025」は19日、大会最終日を迎えた。シングルス決勝はセンターコートで行われ、第2シードで世界ランキング13位の田中愛美(長谷工コーポレーション)が第3シードで同14位の高室冴綺(スタートライン)を6-4、6-2で下し、優勝を果たした。
第1セットは、高室冴のリターンが冴え、第1ゲームをいきなりブレーク。だが、田中もすぐさまブレークバックすると、その後は互いに相手のサービスゲームをブレーク。最後は田中がスペースを作って相手を動かし、ウィナーを決めるなどして取り切った。第2ゲームは第3ゲーム終了後に高室冴がメディカルタイムアウトを要求。コートに戻った高室冴は第4ゲームからアンダーサーブで勝利の糸口を掴もうとするが、田中が冷静に対応。ラリーに持ち込んで相手のショットアウトを誘い、決着をつけた。

田中は高室冴と組んだダブルスでも頂点に立っており、二冠を達成。シングルスは2年連続で上地結衣(三井住友銀行)に敗れて準優勝だっただけに、試合終了後のオンコートインタビューでは「単複優勝しました!悔しい想いをしてきたけれど、今回は優勝で終われた。応援ありがとうございました!」と観客に感謝の気持ちを伝え、喜びを爆発させた。
パラリンピックの翌年ということもあり、今年はペースダウンをしながらツアー転戦に臨んできた。ただ、グランドスラムでは1回戦負けが続き、不完全燃焼の感が残ったのも事実。そのタイミングで迎えた今大会、しっかりと結果を出した田中は「試合に対してフォーカスできるようになったと感じる。少し調子が上がってきていると思うし、これを続けて来年はスタートから勝てるように頑張りたい」と、言葉に力を込めた。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)