パラパワーリフティング — 2025/3/2 日曜日 at 19:58:34

田中秩加香が日本記録を2度更新、日本女子初の「100キロ」に成功!

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女子79㎏級の田中が自身が持つ日本記録を塗り替える活躍を見せた=日本工学院八王子専門学校

「第25回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」は3月2日、東京・八王子市の日本工学院八王子専門学校で大会2日目を迎え、女子重量級の1セッションと男子重量級の2セッションが行われた。

女子79㎏級は、日本記録保持者の田中秩加香(京西電機)が第1試技で95キロを軽く挙げると、第2試技で98キロに成功して日本新記録を樹立。さらに、第3試技では日本人女子選手初となる“大台”の100キロに成功した。ここまで判定はすべて白3つのパーフェクトな試技。特別試技の103キロには失敗したが、田中の果敢なチャレンジに会場の観客からは大きな歓声と拍手が送られた。1週間前の練習では95キロが1回しか挙げられないなど「(大会前は)パワーダウンしていた」と話す田中。そのため、この日は慎重に調子をみていたが、最終アップの段階で感触が良く、その流れのまま本番に臨めたことが結果につながった。10月の世界選手権(エジプト)の派遣標準記録はすでに突破しており、その大舞台を見据えつつ「今年は110キロを挙げたい」と、力強く語った。

男子72㎏級は、樋口健太郎(コロンビアスポーツウェアジャパン)が美しい試技で188キロをマーク。2023年の杭州アジアパラ競技大会で自身が打ち立てた日本記録を2キロ上回った。そのほか、男子88㎏級の田中翔悟(三菱重工高砂製作所)は今大会日本人選手の最重量となる190キロに成功し、自己ベストを更新。特別試技で200キロに挑んだが、こちらは惜しくも挙上はならなかった。

今大会で新たに男子49㎏級の西崎哲男(乃村工藝社)が世界選手権の派遣標準記録を突破。現時点では西崎を含めて9選手が条件をクリアしている。6月末に開催を予定しているチャレンジカップ京都が派遣標準記録突破の最後のチャンスとなる。

(取材・文・写真/荒木美晴)